【テニス】フォアハンドイップスが治らなくて怖かったのに打てるようになった方法

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はじめまして。

おそらく「テニス イップス」や「テニス フォアハンド イップス」というキーワードで検索してこの記事を見つけてくださったものと思います。

私はかれこれ10数年イップスに悩まされていました。

あまりにも長い期間治らなかったのでほとんど諦めかけていたのですが・・・最近特訓をしてフォアハンドイップスを克服できました。

治ってみれば「なんだこんなことだったのか」という印象ですが、打てないときは本当に辛かったです。

それならば自分の経験談を記事として残しておこうと思いました。

イップスに苦しむ人の気持ちはイップスになった人にしかわからないと思います。

辛いと思いますが、この記事が少しでも助けになれば幸いです。

私のイップス歴と症状

最初に少しだけ私のイップスに関することを書いておこうと思います。

そもそも私の実力ですが、プロでもアマチュアでもなくただの素人テニスプレイヤーです。

小学校のころにテニス教室に通っていて、中学のころにイップスにかかりました。

その時は自分でも力を込めたつもりもなかったのにボールをコントロールできず、腕が勝手に動いたような感覚を覚えました。

バックハンドでは普通に打つことができます。

これがこの先10数年も引きずることになるとは当時の私も思いもしませんでした・・・。

イップスにかかってからはテニスから距離を置き、卓球やバドミントンのほうに転向しました。

そういう風にみられるのが辛かったです。「本当はもっとうまいのに・・・」と自責してしまうことが増えたのでテニスはやめてしまいました。

役に立たなかった動画や文献

イップスを治すために色々な情報に触れました。その中で役に立たなかったものを紹介しておこうと思います。

メンタル・精神的なものが原因としているもの

個人的に一番腹が立ったのはメンタルを主原因としているようなものです。例えば以下のようなものがそれにあたります。

言っていることが間違っているとは思いませんが、武井さんの数ある発言のなかに解決につながるようなものではありませんでした
うんちく系は見ている時は気持ちよくてもなんの進展もない

休んだら治る系

これもイップスを精神的なものとしている系にありがちなのですが、「休むのが一番いい」とか「時間をおいてからまたやってみる」みたいなものも多くありました。

私は最長で5年ほどテニスから離れましたが、症状は変わりませんでした。

もしかしたら治る人もいるのかもしれませんが、「時間が解決する」というのは幻想であると今では考えています。

役に立ったもの

では役に立ったと思えるものはどういうものかというと、精神論ではなく「技術的なアプローチの話をしているもの」と「プロ(うまい人)の動画」です。

一つ一つ解説していきます。

技術的にアプローチしているもの

精神的なものを問題としているのではなく、打ち方に問題があるとして色々とコツを発信してくれているものは役に立ったと思います。

後々にも書こうと思っていますが、イップスの解決方法は「打ち方の改善」をするしかないと思います。

そのきっかけにもなってくれたのは以下の動画です。

実演もしてくれているので自分の打ち方との違いがわかりやすい
試しても治りませんでしたが、自分のイップスの原因がどこにあるのかを自問させてくれた動画

プロの動画

窪田テニス教室の動画を見てから、イップスは精神的なものではなく技術的な欠陥からくるものだと考え、そのあとにしたことはプロの動画を見まくることでした。

プロの動画を見て、自分のフォームと比べて、何が違うのかを考えました。

私の場合フォアハンドにイップスがかかっていたのでフォアハンドのスローモーション映像を見てみました。

youtubeに再生速度を変える機能もあるので普通の試合をスローでみるのもいいと思います

人によって見るべきポイントは変わるかもしれませんが・・・。

体の向き、足の動かし方、首の位置、ひじの位置など自分と比較して真似をするようにしてみました。

イップスが治るきっかけは自分のフォームの録画を見たこと

(あくまで1個人が治るきっかけになった話なのでご留意ください。)

イップスになりながらも球を打ち続けているうちに少しずつ自分の体に起きていることがわかってきました。

まずすべての球が打てないのではなく、条件があるということです。

私の場合「緩い球」と「高い打点」の二つの球種で手が震えることがわかりました。

逆に「足元」や「低めの打球」に対しては問題なく返球することができます。

そこでプロの動画の中で、高めの打球を返している部分に絞り、自分のフォームと見比べてみることにしました。

左:プロ 右:私

比較してみてすぐに気づいたのは肘から手首にかけてのラケットの動き方です。

通常はスイングするにあたって、胸>肘>手首>ラケットの順に力が伝わっているのに対して、イップス状態の私はすべてが同時、もしくはラケットのほうが先に動いているという状態になっていました。

なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、イップス状態の人は返球することが恐怖となっていて自分のフォームがどうなっているのかまで頭が回らないと思います。私自身はそうでした。

腕に力が入りすぎていますし、録画した自分のフォームを見て愕然としたものです。

しかしこれを見て自分のフォームの中で、何が悪いのか少しわかったようになりました。

肘を先に前にだし、手首とラケットは後で付いてくる感覚に切り替えると治った

手首に関してはほぼ脱力状態(ブランブランしているくらい)で、肘に意識を向ける

これが私の結論なのですが、「肘に意識を向けたフォームに切り替えた」のがイップス克服につながりました。

それまでは「手のひらから手首」にかけて力が込められている感覚があったのですが、それを意識的に肘に向けます。

言葉では伝わりづらいので動画にしてみました。肩から肘が先に前にでて、その後手首がついてくるイメージです。

この時意識としては「ラケットにボールを当てる」ではなく、「肘を前に出す過程でラケットがボールが当たる」という意識でしょうか。

あくまで体を動かす過程でラケットがボールに当たるようにします。

私の場合、手首に少しでも意識がいくとイップスが今でも起きます。

が、腕全体がびくっとなるような状況は格段に減りました。

「緩い球」や「高い球」にも自然に打球することができるようになりました。

なぜ肘に意識をうつしたらイップスが抑制されたのか?

ここからはあくまで私個人の考察です。

学術的なものではないのであまり信ぴょう性はありません。

上述の通り私は肘を前に出す感覚にすることである程度イップスを抑制できました。

今でも返球の速度やコースによってはビクッっとしてしまう時もありますが、そういうときは大体手首やラケットに意識がいっています。

私が思うにイップスは「体の中心から遠い部分を上手に動かそうとしてしまうと発症する病」なのではないかと感じています。

テニス以外のイップスの種類を見てみても、ゴルフや投球など体の末端を動かす際に発症しているような気がします。

イップス発症から克服までを経験してみて思うことは、運動エネルギーというのは体の中心(大幹)から発生するもので、それが肘から手首に伝わって力が伝達されることを忘れてしまっていたと思います。

イップスが発症してからは「手首をどう動かせばいいのか」や「ラケットの面をあれしてこうして」という末端の部分ばかり考えてしまっていました。

胸の回転やひじの位置など、本来力が沸き上がる体の中心の部分に意識が向いていなかったなと思います。

原因を分析したら、後はがむしゃらに個人練習をする

私の経験則ですが、イップスを発症すると今まで培った経験値などはすべてリセットされる感覚です。

ゲームでいうところの「はじめから」状態ですね。

なので初めてラケットを握った感覚で0から練習するくらいの気持ちがちょうどいい気がします。

「自分は経験者」という自負は早めに捨てたほうがいいかも・・・。

そしてここでポイントなのは個人練習を続けるということです。

ラリーをしてくれる人と練習すると上手に打ち返せない自分に嫌気がさしネガティブな気持ちになりがちです。

テニスだったらひも付きの個人練習用の用具があるので私はそれを使って一人黙々と打ち方の試行錯誤していました。

後日談:イップス解消後は「天衣無縫の極み」に入る

以上が私のイップスに関する体験談です。

一概にすべての人に当てはまるものでもないと思いますが、フォームの改善というテクニカルなアプローチでイップスを克服できた人間もいるということが伝われば幸いです。

最後に後日談ですが、できなかったことができるようになるということはとても素晴らしいことだなと思います。

というのも、イップスが克服できかけてきた時からラケットでボールを打つことが楽しくて楽しくてしょうがなくなりました。

最初は全然打てず、とてもつまらなかったはずなのに、今はボールを打つことがとてもうれしいです。

テニスの王子様という漫画の中に「天衣無縫の極み」というものがあります。

もちろんフィクションの中の話なのですが、テニスというものを心の底から楽しんでいる自分がいることに気づきました。

テニスを始めたころに夢中でラケットを振っていたころの記憶が浮かびます。

イップスを克服するためにはコツコツと打ち方を分析して改善を繰り返すしかないと思っていますが、その地味な作業の先にある無上の楽しみがあることをここに書いて終えたいと思います。

ありがとうございます。