【理系ミステリ】森博嗣入門用おすすめ書籍3選 紹介と簡単な解説(ネタバレ無)
森博嗣さんの書籍のおススメを紹介するエントリです。
理系ミステリで一世を風靡し、代表作の「すべてがFになる」が2014年から2015年にかけてドラマ化、アニメ化するなどの活躍をみせています。
さらに面白いのは作家引退宣言をしたのにも関わらず年5冊のペースで新刊をだしていることでしょうか。
よろしくお願いいたします。
森博嗣おすすめ書籍3選 紹介と簡単な解説
森博嗣について
概要
森博嗣(ペンネーム)
生年月日:1957年12月7日
血液型:B型
星座:いて座
出身地:愛知県
職業:工学博士(引退済み)
趣味:模型、物を作る事、イラスト、車、骨とう品、粘塑性流体の数値解析手法の研究・・・(粘塑性:ねんそせいと読むようです。)
家族構成:妻、愛犬
性格:本人曰くアマノジャク
趣味のなかにある粘塑性流体とはドロドロの物体の流れ方を計算、予測する方法でコンクリートに応用されているようです。
流石工学博士ですね。
この粘塑性流体についての論文もいくつかお書きになられているようです。
博士といっても小説家の一面も持っています。(むしろこっちが本業?)
1995年に処女作「冷たい密室と博士たち」を1週間で書き上げ、編集者の意向により本来シリーズ4作目だった「すべてがFになる」で1996年4月デビュー。
この「すべてがFになる」で第1回メフィスト賞を受賞されました。
工学博士という異色の経歴をお持ちの森博嗣さんですが、すでに160以上の作品を発表しています。(2017年9月)
流石に作品の数が多いので今回はその中でも割と読みやすい森作品を3選として紹介します。
シリーズについて
おすすめ書籍3選の前に、森博嗣の書籍を検索すると必ずぶつかる問題をひとつ。
森博嗣の書籍を調べて大体戸惑うのは数多くのシリーズがでてくることではないでしょうか。
「S&M」や「V」などかかれてもなんのこっちゃという感じになりそうなのでここでシリーズの概要について書いておこうと思います。自分好みのシリーズが必ずあるはずですので参考にしてください。
S&Mシリーズ 入門度☆5 完結済み
第1回メフィスト賞を受賞した「すべてがFになる」からスタートするシリーズ。
探偵役は大学教授の「犀川創平」と犀川研究室の生徒「西之園萌絵」のイニシャル「S創平」と「M萌絵」に由来しています。
デビュー作から始まるシリーズということで読み始めるにはうってつけといえるでしょう。
ミステリとしての面白さもそうですが、1990年代にかかれた内容とは思えないほど、現代のテクノロジーについて予言をしていて、それが的中していることでも有名です。(仮想空間やTwitterの存在など)
理系ミステリの神髄がつまった良書だと思います。私もこのシリーズから読み始めました。
Vシリーズ 入門度☆4 完結済み
シリーズ第2弾のVシリーズ。
探偵役であり主人公の「瀬在丸 紅子(せざいまる べにこ)」のイニシャル「V(紅子)」が由来。
瀬在丸紅子は「バツイチ、子持ち、貧乏」という女性キャラクターです。
S&Mシリーズは犀川創平と西之園萌絵を中心とした物語でしたがこのVシリーズは「瀬在丸紅子、保呂草潤平、小鳥遊練無、香久山紫子」の4人の掛け合いにより話が展開します。
またその中で小鳥遊練無は女装癖の大学生だったり保呂草潤平は○○だったりと登場人物の掛け合いも一捻りしてあり、以外な展開が待っているシリーズです。
時代設定も相まってレトロチックな雰囲気が作品全体を包みます。
四季シリーズ 入門度☆2 完結済み
S&Mシリーズに登場する「真賀田四季(まがた しき)」のイニシャル「四季」が由来のシリーズ。
真賀田四季を主人公にして、彼女の数奇な運命と天才の思考が描かれます。
そもそも真賀田四季がS&Mシリーズの登場人物なので入門度としては低く感じました。
ただその天才性と文章力は圧巻で、S&Mシリーズを読み終わった方には是非読んでほしいシリーズです。
Gシリーズ、Xシリーズ(未完) 入門度☆2
ギリシャ文字を表すGreek の「G」が由来のGシリーズ、作品名の真ん中に「X」がつくことが由来の「X」シリーズです。
Gシリーズ、Xシリーズともに未完であることと犀川創平や西之園萌絵、瀬在丸紅子、真賀田四季など多くの他シリーズキャラクターが登場します。
それから以前までのシリーズとは違って1話完結ではなく、シリーズ全体で1連の流れをくんでいます。なのでこのシリーズから読み始めても話の面白さを理解するには少し難しいと思いました。
Wシリーズ (未完) 入門度☆2
近未来を舞台にした世界の話です。
AI、VR、さながら映画「マトリックス」のような雰囲気です。
人工人間「ウォーカロン(walk-alone)」の「W」が由来になっています。
ここまでいくとミステリー小説というジャンルからはすでに逸脱しており、「テクノロジー未来は今後どうなるのか」ということを提示しているような作品です。
森博嗣さんの思考が垣間見える作品でファンとしては嬉しいですが、ここから入門できるかというとちょっと悩んでしまうのであまり入門用としてはおすすめしません。
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森ミステリーの魅力が伝わる書籍3選
「すべてがFになる」 1996年(S&Mシリーズ)
第1回メフィスト賞受賞作品にしてデビュー作です。
森博嗣さんの書籍の中でもゲーム化、ドラマ化、アニメ化とメディア化が続いたため、普段ミステリー小説を読まない層でもこの作品の認知度は高く、それだけ面白い作品であります。
内容については割愛するとして、この作品での見どころは「真賀田四季」です。
現存する最高の天才プログラマとして登場し、この小説の事件に大きく関わります。
ネタバレは避けますが、これはミステリー小説です。つまり見どころは犯人の動機だったりその手口だったりするわけですが、森ミステリの魅力はそこ以外にも充実しています。
テクノロジーや技術者の考え、思惑など、現職の工学博士でしか書けない文章が感じられます。
そんな現職の工学博士が描く天才というのがいかに文系と違うのかがわかります。
驚愕の犯人の動機、理解の範疇を超えた天才という存在を感じてみてください。
「喜嶋先生の静かな世界」 2013年(文庫版)
これはミステリー小説ではありませんが森博嗣さんの文章を感じるにこれほどわかりやすいものはないと思います。
文章を読むことが苦手で勉強が大嫌いだった主人公 橋場が大学4年の時に喜嶋研究室で出会う、奇妙で数奇な人物喜嶋先生に影響されその後の人生を大きく変えていく物語。
一言でいうと美しい小説です。
寝食を忘れるほど何かに没頭した経験があるでしょうか。
小説の中では数々の喜嶋先生の名言から説明される学問と研究の純粋さが描かれます。
文系とか理系とか関係なく、読む人に感動を与える小説です。
是非一度読んでみてください。
「黒猫の三角」 1999年 (Vシリーズ)
Vシリーズの第1作。
漫画化もドラマ化もされているエピソードです。
ゾロ目の日付にゾロ目の年齢の女性が殺される連続殺人事件が発生。
人を殺すことに意味は必要なのか・・・そんな問を投げかけてくる知的でレトロなミステリー小説。
森ミステリではなく、普通にミステリー小説入門としてもおすすめしたいお話です。
まだまだ広がる森ワールド
終わりに
ちなみにですが森博嗣さんは現在博士も作家も引退すると宣言しました。
ですが年5冊単位で新刊の発行を続けてらっしゃいます。(?)
引退宣言は何だったのかと思いつつ、ファンとしては嬉しい限りです。
また森博嗣さんですがどうやらブログをスタートさせたそうで
律儀にほぼ毎日更新されているようです。
そんな森さんですが何分刊行スピードが早いので進展がありましたらこのエントリも追記していきたいと思います。
以上です。
読んでいただきありがとうございます。
追記
現在刊行中のWシリーズについてエントリしました。
お時間ありましたら是非
↓
[blogcard url="https://trend-tracer.com/wseries/"]
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