【Python】ワードプレスでおすすめの有料テーマは何なのか統計分析する
ワードプレスの有料テーマが何なのか、を調べてみようと思います。
前回、無料のワードプレステーマでおすすめのテーマは何か調査しました。
ワードプレスで有料のテーマを使う理由はいくつかあります。まず、無料テーマの場合、手動で設定しなければならないものがすでに設定されているという点。それから見た目が優れているという点。この2点が大きいと思います。基本的に無料版のテーマでほとんどのことは出来ます。凝ったレイアウトやアニメーションがついたものも、作れないということではありません。ただしそういったものを作成するためにはある程度のCSSやjavascript,phpの基礎的な知識が必要です。
個人的な考えですが、ワードプレスで有料テーマを使う必要性はほとんどありません。というのも、今最もwebページで必要とされているのは「コンテンツの質」だからです。つまりどれだけ多くの人に役に立つものが書いてあるかということが重要になっています。これはgoogleがそうやってウェブページを作ってください言っていることからこうなっています。みんな、googleが良しとする方向に向かっていることになりますね。なぜそんなにgoogleのご機嫌をとるようなことをしているかというと、今世界で使われている検索エンジンの9割はgoogleが使われていると言います。そしてブログなり、サイトを運営している以上、人に見てもらわないと意味がありません。そして使ってもらうためにはgoogleに評価されて、検索結果に出してもらわないといけないということです。なのでサイトの運営者はgoogleに逆らうことはできず、googleのいうことを素直に聞かないといけません。
ワードプレスでおすすめの有料テーマは何なのか統計分析する
前置きが長くなりましたが、数ある有料テーマの中で、何が選ばれているのか、統計分析していこうと思います。
今回も用いる手法はpython3とpytrendsを使っています。スクリプトも載せておきますので、jupyter notebookが使える環境の人であれば、同じことができるようになっています。興味がある人はぜひやってみてください。対象とする有料テーマは「ワードプレス 有料テーマ おすすめ」と検索して、でてくるサイトで紹介されているものに限ります。もしかしたらもっと高機能でお手軽な有料テーマがあっても、漏れているかもしれません。その時はTwitterでご連絡いただけると助かります。よろしくおねがいします。
サマリ
- Googleトレンドから各テーマの検索データを取得し、データ分析をおこなう(時系列分析)
- ここでいう「おすすめ」の定義は「最も検索されているもの」とする。
- Pytrendsというライブラリをつかって分析します。
- 用いる分析手法は時系列分析、年次集計、トレンド分析、相関マトリクスの4種類でおこなう。
相関マトリクスは正直やる意味はあまりないかもしれません。ただ、すべてのテーマが同じようにトレンドしていれば、それは有料テーマ界全体のトレンドが変動しているといえます。今回のゴールはどのテーマがおすすめなのかを調べることなので、業界全体のトレンドによるものなのか、そのテーマのトレンドによるものなのかは判別しないといけません。判別した結果だけ書いておいてもいいのですが、今回入れています。
ゴール
- 各有料ワードプレスのテーマで最も使用されているものは何かを調べる。
すべてのテーマを対象に、分析できればいいのですがさすがに量が多すぎるので、ある程度絞った状態で調査します。
絞り方は「ワードプレス 有料 テーマ」などのクエリで検索をかけて紹介されているテーマにしました。
対象となるデータ
データ分析に使った有料テーマ一覧
- STORK(ストーク)
- Emanon(エマノン)
- AVALON(アバロン)
- 賢威(けんい)
- DIVER(ダイバー)
- Colorful(カラフル)
- Pantomime(パントマイム)
- jin(ジン)
- AFFINGER(アフィンガー)
期間は2016年から2018年11月末までで分析する。
方法
Pytrendsを利用して、Google trendからデータを取得する
- Python3とPytrendsを使ってgoogle trendにアクセス。
- 調査する国は日本(jp)のみ
- データ分析にはpandas、numpy、statsmodels、seabornを使います。
from pytrends.request import TrendReq import pandas as pd import matplotlib as mpl import matplotlib.pyplot as plt import numpy as np import statsmodels.api as sm import seaborn as sns print('-'*30) print("pytrendに接続します") pytrends = TrendReq(hl='ja-JP', tz=360) print("接続が確立されました") kw_list1 = ["STORK","Emanon","AVALON wordpress"] kw_list2 = ["賢威", "diver wordpress", "Colorful wordpress"] kw_list3 = ["Pantomime wordpress", "jin wordpress","AFFINGER"] #pytrends.build_payload(kw_list, cat=0, tim eframe='today 5-y', geo='JP', gprop='') #pytrends.build_payload(kw_list, timeframe='2017-01-01 2018-09-30', geo='JP') pytrends.build_payload(kw_list1, timeframe='2016-01-01 2018-12-18', geo='JP') df1 = pytrends.interest_over_time() pytrends.build_payload(kw_list2, timeframe='2016-01-01 2018-12-18', geo='JP') df2 = pytrends.interest_over_time() pytrends.build_payload(kw_list3, timeframe='2016-01-01 2018-12-18', geo='JP') df3 = pytrends.interest_over_time() try: #データの取得と可視化 print('-'*30) print("可視化") %matplotlib inline #df = pytrends.interest_over_time() df = pd.concat([df1, df2,df3], axis=1) df.plot(figsize=(15, 3), lw=.7) except: print("nan") #年次で集計 print('-'*30) print("年次") yearly = df.resample('Y').sum().plot.bar(stacked=True, figsize=(10, 3)) plt.xticks(np.arange(3), ('2016', '2017', '2018')) plt.legend(bbox_to_anchor=(1.04,1), loc="upper left") plt.show() #トレンド集計 print('-'*30) print("トレンド線") seasonality = pd.DataFrame() del df['isPartial'] for i in df.columns: res = sm.tsa.seasonal_decompose(df[i]) seasonality = pd.concat([seasonality, res.trend], axis=1) seasonality.plot(figsize=(15, 3), lw=.7) plt.legend(bbox_to_anchor=(1.04,1), loc="upper left") #マトリクス分析 resid = pd.DataFrame() print('-'*30) print("マトリクス分析") for i in df.columns: res = sm.tsa.seasonal_decompose(df[i]) resid = pd.concat([resid, res.resid], axis=1) cor_matrix = resid.corr() plt.figure(figsize=(15, 5)) sns.heatmap(cor_matrix, annot=True, lw=0.7, cmap='Blues')
結果データの可視化
pytrendsから検索トレンドを約3年分取得して可視化することに成功しました。
綺麗なグラフになっていますね。パット見た感じでは賢威が大きくそのボリュームを減らしているように見えます。
次に年次でアクセス数を可視化します。やはり賢威が勢力を減らし、かわりにAFFINGERとjinが大きく数値を伸ばしています。特にjinは2018年から大きく成長しているのが見て取れました。
データの分析
今回も、先程のカクカクした線のままだとトレンドがわかりずらいのでトレンド線のみ抽出し比較します。
かなり顕著な結果がわかるグラフとなりました。
これを見る限り、以下のことがわかります。
- 2018年もっとも多く調べられているテーマは「STORK」
- 次点で「AFFINGER」、「賢威」となりました。
- 2018年最も伸びたテーマは「jin」
- 賢威は2016年では最も支持されていたが、2018年になり大きく順位を落としている。
最後に時系列データの相関を調査します。
相関マトリクスを作成し、ヒートマップ化します。
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分析結果からの考察
STORK(ストーク)
STORKが最も人気な有料ワードプレスのテーマという結果になりました。
STORKは2016年から順調にそのトレンドを上昇させています。STORKとはコウノトリという意味ですが、なぜこのテーマにコウノトリという名前がついているのかはわかりません。(SEOでいうハミングバードみたいなところが由来でしょうか。)ショートコードなど、カスタマイズがやりやすいということで人気のようです。またスマホビューのことを考え抜かれて設計されている点も評価されていますね。
ストークならおすすめの記事も自由に作れますし、なによりもデザインがいいので有料ワードプレス初心者であればとりあえずこれから試してみればいいのではないでしょうか。こういったテーマはSEOでも強いので重宝しそうです。
AFFINGER(アフィンガー)
AFFINGER(アフィンガー)はその名の通りアフィリエイター向けのテーマです。「稼ぐ」ことに特化したテーマとなっています。ドメイン名がthe-money.netになっているのがそれらしくていいですね。アドセンスやアフィリエイトの設置が簡単で、カスタマイズも容易だそうです。多くのデザインが最初から用意されていて、オリジナル性も出すことができます。アフィンガーの中でもwingというバージョンが今は新しく、人気を博しているようです。
割と初心者向けであるということもが言われていますが、コンテンツにとにかく注力したい。レイアウトとか考えたくない!という人にはおすすめです。
賢威
3位にランクインしたのが賢威です。が、分析結果を見る限り、その人気度は減少のトレンドを辿っているように見えます。それを証明するように検索結果にもネガティブな意見が見られました。
「賢威 効果なし」や「賢威 ダサい」といった意見が目を引きます。統計分析したグラフを見るとアフィンガーやストーク、それからjinといったテーマが台頭していますが、どれも見た目がカッコいい、簡単にカッコいいサイトが作れるという点は共通していると思います。
それに比べると賢威のダウンロードページはダサく、どこか古臭い印象を受けました。
もし有料テーマを使うなら、私もカッコいいサイトが作りたいと思うはずなので、賢威は選ばないでしょう。