【ネタバレ注意:ループ説】P5R発売前に前作で語られなかった『深層』を考察
この先にはペルソナ5の核心的なネタバレがあります。
一度ペルソナ5をクリアしてから読むことを推奨いたします。
追記:ペルソナ5ザ・ロイヤル が発売されました!!
この記事の内容はロイヤル の発売前に書かれたものであり、P5Rの核心的なネタバレは書かれておりません。
あくまで発売前の予想であることを前提にお読みください!!はてさて・・・予想は当たったのでしょうか・・・?
前作ペルソナ5で語られなかった「深層」とは何か考察する
ペルソナ5(ザ ・ ロイヤル)とは
ペルソナ5ザ・ロイヤルの発売が4月24日発表されました。
全世界累計セールス270万本を突破した「ペルソナ5」が、多数の新規要素を追加して新生。
語られなかった3学期とさらに充実した学生生活。
深層へと迫るキーとなる、新たなキャラクター。
新たな強敵。
あなたはまだ、本当の「ペルソナ5」を知らない。
P5R公式サイト
https://p5r.jp/
ペルソナ5(無印)についてと発売当時を振り返って
ペルソナ5(無印)の発売日は2016年9月15日。
その前作となるペルソナ4(無印)は2008年7月10日に発売。
実に8年ぶりとなる新作に当時のファンは大いに盛り上がっていたように思います。
スタッフは4から引き続き橋野桂、副島成記、目黒将司の黄金トリオ。
しかしこのペルソナ5ですが、当時は発売延期が続いていました。
2013年冬に2014年冬に発売予定と発表
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2014年秋に2015年に発売を延期と発表
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2015年秋に2016年夏に発売を延期と発表
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2016年9月15日に発売
こんな流れだったと記憶しています。
なのでペルソナ5Rが発表から半年後の発売ということで、ファンの第一印象は「早い!」だったと思います。(延期がされなければ)
ペルソナ4が発売から数年経っても続編をコンスタントに出していたため、ペルソナ熱が冷めずに5を発売できたのはマーケティング的に非常にgoodだったと思います。
やはりペルソナ3の主人公と違って、ペルソナ4は続編を作りやすい終わり方をしたのもその要因かなと感じています。
それからペルソナ4といえば非常にサウンドの評価が高いものでした。
動画サイトを中心に通常戦闘曲の「Reach Out To The Truth」が知名度が高く、ニコニコ動画で使われたり(動画が削除された時のCMで使われていたので削除用BGMとも呼ばれていた)、youtubeでも圧巻の再生数を誇っているペルソナ4を象徴とする名曲です。
サウンドの評価が高く、毎年ライブをおこなっていたことも新規ファン獲得の要因となり、ペルソナ5への期待は最高潮に高まっていたように覚えています。
画像
発売してからというものは、巷では評価が高かったですが、クリアした人からの評価はいまいちだったと記憶しています。というのもペルソナ4では本編中にある条件を揃えると真なるボスと真なるエンディングを見ることができるという裏要素が入っていました。
ペルソナ5でも思わせぶりな伏線らしき要素こそあったものの、結局裏エンディングは存在していません。その不完全燃焼ぶりが確かにありました。
5から入った人と4以前からのペルソナファンで評価がわかれるのはこれが原因かなと思っています。
サントラで新ボスのBGMが収録されるとか、攻略本で新ボスの出し方が載るなど憶測はかなり流れましたが、結局ペルソナ5には新エンディングのデータは入っていないという結論になりました。
ペルソナ5のストーリーとエンディング(ネタバレ有)
ストーリー
ペルソナ5のストーリーはゲームにして80時間から100時間あります。
なので大まかなストーリーの流れを振り返ろうと思います。
すべての始まりは主人公が獅童正義から女性を守ったことから始まります。
主人公はその女性をかばって議員の獅童に怪我をさせてしまいます。
しかし議員である獅童は権力を使い、主人公を逆に逮捕させるように仕向けます。
主人公はそのまま逮捕され。補導歴を持つということで、転校を余儀なくされました。
引き取られたのは秀尽学園。保護者の佐倉惣治郎にも嫌々引き受けたような印象で周りに味方は誰一人いない状態です。
しかしひょんなことからパレスと呼ばれる人の心にできる空間へ行き来する能力を身に着けました。
その空間の中では服装も怪盗のような格好になります。主人公の中にある「反逆の精神」を最も映し出す格好が怪盗だからそうなったようです。
そこでは認知上の存在がおり、それらから「オタカラ」を盗み出すことにより人の心を改心させることができることに気付いた主人公達は、次々と悪人達を改心させていきます。
しかし仲間だと思っていた明智五郎の裏切りにより主人公は勾留されてしまいます。
絶体絶命のピンチでしたが、怪盗団は明智吾郎が裏切り者だと気付いていました。
機転をきかせ、主人公が死んだと思わせることにより脱出に成功。
獅童正義への復讐と明智吾郎との決着をつけるのでした。
一方メメントスと呼ばれる大衆の心理を具現化したダンジョンの最深部ではまた別の問題が起きていました。
イゴールと思っていた人物が実は統制神ヤルダバオトという神であり、世界を滅ぼそうとします。
怪盗団は神の目論見を妨げるため、最終決戦に望むのでした。
エンディング
統制神ヤルダバオトとの勝負に勝利した怪盗団。
主人公のペルソナ「アルセーヌ」が覚醒し、「サタナエル」に変化。
スキル「大罪の徹甲弾」にて神を討ちました。
これにより世界に平穏が訪れたのでした。
保護観察が終わり、元の土地へ帰ることになった主人公。
公安からの監視は続きますが、これまでに築いた絆の力でどんな困難も乗り越えられることを確信していました。
真の運転する車に乗り込み目的地へ向かいます。
車から流れるのはオープニングの曲。「まだ誰かの夢の中にいる」。そんな感覚の中、物語は幕を閉じました。
ペルソナの完全版について考察
ペルソナ3とペルソナ4は対の関係
ペルソナシリーズのファンであれば基本的に完全版がでることはわかっています。
ペルソナ3には「ペルソナ3フェス」。ペルソナ4は「ペルソナ4ザ・ゴールデン」。そしてペルソナ5は「ペルソナ5ザ・ロイヤル」となりました。
今回ペルソナ5ザ・ロイヤルとなっていますが、ここには特に意味がないと考えています。
「フェス」も「ゴールデン」も物語上何か重要なキーワードとなるかというとそういうわけではありませんでした。単純に「特別なもの」の言い換えであると思われます。
(ちなみにロイヤルには「王者らしい」や「りっぱな」といった意味があるようですね)
問題はその内容です。
ペルソナシリーズでは一度使った設定はあまり使い回ししないことを意識しておこなっていると思います。
例えば日常の舞台。3では東京都巌戸台港区の学園が舞台になっていますが、4では八十稲羽という田舎が舞台になっています。
3と4は基本的に対比の関係になっています。都会と田舎の対比ですね。
他にも主人公の髪が3は黒で4は白。
テーマカラーも3は青で4は黄色となっています。
黄色は青の反対色相で対になる色です。
その色を象徴するように、3では主人公は死にますが、4では主人公は多くの仲間に囲まれ幸せなエンディングを迎えました。
このように3と4は意識的に対比が使われていますが、言い換えれば3と4でまだやられていないことを考えればP5Rの深層が考察できるのではないかと考えています。
3と4でまだやられていないことは何か?
では各完全版の内容はというと以下の通りです。
- ペルソナ3フェス「3の後日談」
- ペルソナ4ザ・ゴールデン「新キャラを加えた完全なストーリー」
ペルソナ3フェスでは完全に3の後日談となる作品のため、4ザ・ゴールデンでは後日談は描かれませんでした。(格闘ゲームP4U、ダンスゲームのP4Dが後日談)
そのかわり新キャラを追加した完全なストーリーとしてペルソナ4ザ・ゴールデンは存在しています。
通常版のペルソナ4については特に言及がありません。どちらが正史なのかということも語られませんが考え方としてはペルソナ4はゴールデンの物語が本物であり、それ以前のものは存在しなかったと考えるのが妥当です。
つまり通常版の4のストーリーをゴールデンのストーリーが上書きしている状態です。
つまり3,4ですでに使った設定は使われないと仮定するのであれば単純な同じ日の出来事ではないと思われます。
ペルソナ5本編に散りばめられたループ物を匂わせる伏線
ペルソナ5をクリア済みの人はなんらかの違和感を覚えるような伏線があると思いますが、ここでP5の伏線と思われるものを列挙しておきます。
- エンディングの竜司のセリフ「まだ誰かの夢の中かも」という発言
- 真と杏がジョーカーの部屋に初めて入った際の「ここを知っている気がする」という発言
- オープニングのカジノシーンとゲーム中のカジノシーンが若干違う
- 仲間達のモルガナに対するデジャブを思わせるセリフ
- 主人公が屋根裏部屋に初めて来た時に「懐かしいがする」と思う
- オープニングのスクランブル交差点での時が止まる演出
- PVで留置場での明智との会話の後、初日に戻りハッとするような演出
- エンディングの車の中でかかる曲がオープニングテーマ
プレイ済みの人がドキッとしたのはやはり竜司のセリフではないでしょうか。
「まだ誰かの夢の中にいる気がする」というセリフには2つの受け止め方があると思います。
- 「本当に誰かの夢の中にいる」
- 自分たちが成し遂げたことが大きすぎて、まだそれを信じることができない
ここでもファンの間では意見がわかれることです。
ただメタ的な視点になってしまいますが、制作会社のアトラスはいつも想像の斜め上をいくような設定をプレイヤーに見せてくれました。
言ってしまえばアトラスをよく知るプレイヤーほど、こんな意味のないセリフをアトラスが残すはずがないと思ってしまうのではないでしょうか。
他の伏線も文脈に関係なく急に発せられるので印象に残っている人も多いと思います。
「統制神ヤルダバオト」はグノーシス主義では失敗作であり、自分を最高の存在だと思いこんでいる下級神
ペルソナ5のラスボスであるヤルダバオトは元ネタのグノーシス主義では失敗作の神であると言われているようです。つまり自分を神だと思いこんでいる出来の悪い息子みたいな感じですね。
この辺についてはかなり考察されているのでそちらを見たほうが早いかもしれません。
特にこちらの記事がわかりやすくまとめられています。
結論から書いていくと、ヤルダバオトと対になる神がおり、その名を「アイオーン」という神がいるそうです。
そしてそのアイオーンが司るのはなんと「時」!!
時を操る能力を持つ神ということで、デジャブなどの説明はつきそうです。
アイオーンかどうかはわかりませんが、P5Rではヤルダバオト撃破後、真ボスとしてヤルダバオトより上位の神がでてくる可能性は大いにありそうです。
新キャラ「芳澤かすみ」について
新キャラの「芳澤かすみ」についても考察していきます。
まずはペルソナシリーズにおける新キャラというのは単純にメンバーが増えるだけではないということを書いておきます。
わかりやすいのはペルソナ4における「マリー」です。
「ペルソナ4ザ・ゴールデン」にて追加キャラとして登場したキャラクターでしたが、なんとその正体は真ボスの別の姿でした。真の名前を「クスミノオオカミ」といいます。神様ですね。
追加キャラクター自身が神というのはペルソナ4ですでにやられているわけですから、おそらく「芳澤かすみ」が神であるということはないと予想しておきます。
PVでは怪盗団の一員になっているようです。怪盗姿も確認できます。
先述のようにただ単純に怪盗団のメンバーを増やしただけで終わるとは思えません。
きっと物語において重要な立ち位置を与えられているはずです。
そうなると予想できるのが「真ボスに遣わされたペルソナ使い」というポジションです。
図にすると以下のようになります。
ペルソナ5無印では主人公のバックにはイゴールがいます。
そして明智はヤルダバオト側に操られていました(間接的に)。
芳澤かすみがここに絡んでくるとしたら第3勢力に遣わされた能力者だと思います。
P5RのPVではかすみのものと思われる声で「私が夢を奪った」と言っています。
なにかしらジョーカー側の動きを監視し、何かの間違いが起こると時間(もしくは夢)を操り、失敗をなかったことにするのかもしれません。
そんなことができるのは偽の神である「ヤルダバオト」の上位にいる『真の神』しかいないのではないかなと思っています。
そして芳澤かすみは真の神の従者なら面白いなぁと考えたりしています。
芳澤かすみのペルソナ「サンドリヨン」について
2019年6月にP5Rについての新情報が公開されましした。
そこで新キャラである芳澤かすみのペルソナが判明。その名は「サンドリヨン」です。
「サンドリヨン」は、あの有名な「シンデレラ(Cinderella)」のフランス表記になります。
つまり芳澤かすみのペルソナは「シンデレラ」です。
直接的にシンデレラにするのではなく、あえてフランス表記にするところにオサレ感がありますね。
有名なのはグリム兄弟による童話ですね。ディズニーによるアニメで爆発的に世界に知名度を高めました。
芳澤かすみはPV内でダンスを踊るシーンがあります。バレエと思われる動きですが、スポットライトを浴びて踊るその姿はまるで舞踏会です。シンデレラも舞踏会のシーンがありますが、まさに芳澤かすみにピッタリなペルソナですね。
まとめ
以下が私の予想です。
- ペルソナ5の世界はループしている。
- P5Rではループの原因の元を断つ物語になる。
- ループを起こしているのは「ヤルダバオト」より上の真の神。
- 芳澤かすみは『真の神』につかわされている従者。
ペルソナ5の伏線ではループ物を臭わせる伏線以外にも気になる伏線が多くあります。
例えば「新島冴からもらえる名刺」や佐倉惣治郎に渡せる「保護観察日記」などがそうです。
思わせぶりなアイテムがかなり多くあるので、この辺もザ・ロイヤルで一気に回収してくれるとP5Rは最高の神ゲーになってしまうかもしれませんね。
発売までまだ約半年ありますが、楽しみに待っていようと思います。
何か思い当たることがあったら、ツイッターまで連絡くれると嬉しいです。
以上です、拙い考察でしたが読んでいただきありがとうございます!
P5R発売後の答え合わせ(P5Rネタバレあり)
はい、全然違いましたね。
最近のアトラスの傾向的に、やはりラスボスは神かと思っていたのですが、まさかのカウンセラーでした笑
でもこれはこれで良かったのかなと思います。
アトラスらしい、現代に対する皮肉がたっぷり詰まっていて良かったです。
ただ竜司の思わせぶりなセリフや、真や杏のセリフなどについてフォローがなかったことが残念でした。
芳澤かすみの正体についても特に捻りはなく、自分を芳澤かすみだと思っているもう一人の別の人間、「芳澤すみれ」ということです。
彼女の役割としては物語を動かす立場ではなく、丸喜が目指す世界をよりプレイヤーにわかりやすくするためのものでしょうか。
役割的には主人公が行動を起こす動機となる「正統派ヒロイン」に相応しいキャラクターだなと感じました。
正統派のヒロインはどの物語にも出てきますが、ペルソナという捻くれたゲームにそう言った役割のキャラクターが出てくるのもそれはそれで新鮮でした。