【スプラトゥーン】のゲームデザインの凄さを考察する。
ゲームがスマホ主流になり、据え置き型のゲーム
しかもシューティングゲームといういかにもコアゲーマーありきなジャンルに突如として現れ、
イベントも大会も大反響のまま2の発売が決定している任天堂発売のソフト
「スプラトゥーン」
このスプラトゥーンの凄さをゲームデザインの視点から考察していきます。
ゲームをプレイしていない人にもわかるように解説できればと思います。
よろしくお願いいたします。
シューティングなのに敵を倒さなくていいという事
上記のように銃を持って戦うシューティング(FPSやTPS)の場合、求められる基本操作は3つ動作になります。
- フィールドを移動して標的を見つける
- 動く標的に狙いを定める。
- 弾を発射し相手にダメージを与える(倒す)
一見ゲームに慣れたゲーマーであれば移動しながら標的を狙い打つことにそれほど難易度を感じないかもしれませんがゲームを普段やらない方からすればこれはとんでもなく難しいことです。
ではスプラトゥーンはどのようなゲームデザインになっているかというと・・・
これだけです。
このスプラトゥーンの基本ルールは敵を倒した数で勝敗が決まるのではなく地面を汚した面積の多いチームが勝つというものです。
つまり今まで敵を倒さないとゲームに貢献できなかったのが
インクを飛ばして敵の陣地を塗り替えているだけでゲームの勝利に貢献できるのです。
スプラトゥーンは多くの普段ゲームをやらないようなライトユーザーを獲得しましたが、
それはこの敵を倒さなくても一人で地面を塗っているだけでチームに貢献できているという心理状態を上手くプレイヤーに与えたからなのではないでしょうか。
リスポーンから前線復帰までにも意味を持たせることに成功している
前節で敵をたおさななくてもいいと書きましたが実際スプラトゥーンにも対戦相手との打ち合いが発生します。
従来のシューティングでは打ち合いに負けた際、
フィールドのスタート地点に戻され、やられたところまで戻るという過程が存在しますが(これをリスポーンと言います)
これは打ち合いに勝った方へのご褒美となるようなデザインになっています。
つまり打ち合いに勝った方は相手を一人やっつけたことで前線で戦う人数にアドバンテージを得ることができます。
打ち負けたほうは時間をかけて前線復帰するわけですが本当に移動するだけの退屈な時間が発生していました。
ではスプラトゥーンではどうかというと、勝利条件が敵を倒すことではないので道中でもプレイヤーは目的を持って移動することができます。
敵を倒すことを勝利条件としないだけでリスポーンから復帰までの行動に大きな意味ができていることがわかります。
従来のものはリスポーンというと退屈な時間でありましたが
スプラトゥーンでは前線に復帰するまでの道中に塗られていない場所があったら塗りながら復帰できますし、
敵が前線に集中していることがわかっているので裏に回りこっそり地面を塗り返しておく・・・
なんてことが可能になっています。
塗った地面は動きやすく塗られた地面は動きにくい
地面を塗ることが勝利条件になっていますが地面を多く塗っているほうが恩恵を得られるシステムがあります。
「イカ」状態での潜伏と移動です。
地面を塗れば勝利ですがその塗るという行為にも勝つこと以外のデザインが施されています。
開発者インタビューリンク
スプラトゥーンの作られ方については多くの開発者インタビューが公開されているので紹介します。
当時の任天堂社長が直接開発者にインタビューしたときの文章。前社長の岩田社長はプログラマー出身ですのでところどころ技術的に突っ込んでいる部分もあります。
スプラトゥーンは音楽の評価も非常に高いものになっています。
サウンドトラックも売り上げ4.3万枚、デイリーオリコン2位にもなりました。
そのサウンドの生みの親たちのインタビューが読めます。
まとめとして敵を倒さなくても勝つ可能性があるということを主体にしたことが非常に革新的なゲームであったということです。
これはゲームは子供が遊ぶものであるという任天堂の精神と流血沙汰を好まない日本人の特性が生み出した日本らしいシステムだと思いました。
もちろん今回考察した以外にも仕組まれたデザインはありますがそれはまた今度考察できればと思います。
以上です。
ありがとうございました。