【ネタバレあり】「人形式モナリザ」レビュー ラストの「お義母様」の意味は?
こんにちは。
本日は森博嗣の人形式モナリザを完読しましたので、感想と考察を書いていきたいと思います。
本作はVシリーズの第2作品目です。前回1作品目である黒猫の三角(くろねこのでるた)について記事を書いていますので、まだそちらを読まれていない方はそちらも是非読んでください。
人形式モナリザのあらすじ
夏休みに長野県の蓼科にアルバイトでペンションにやってきた小鳥遊練無と森川素直の元に、遊びにやってきた保呂草順平と瀬在丸紅子と香具山紫子は、ペンション近くにある人形の館で起きた事件に巻き込まれる。
被害者は、岩崎麻里亜と祖母の岩崎雅代。麻里亜は一命を取り留めたが雅代は銀色のナイフで背中を刺されて死亡。
紅子たちは岩崎家に起こった事件をどう解決していくのか?
※ここから先はネタバレを含みますので、
まだ人形式モナリザを読んでいない方は覚悟の上先を読んでください。
まず、小説の題名にもなっている人形式モナリザについてですが、雅代の愛人であった彫刻作家の江尻駿火が晩年、雅代のために作成した小さな泥人形を駿火がモナリザとしていたことからきているのだと思われます。
では、人形式とは?
雅代は乙女文楽で孫の麻里亜を操り人形に見立てて、人形を操る演技をしていました。ですが、麻里亜が雅代を殺害した時は、乙女文楽を演じる前に雅代の背中を刺さしました。その後、麻里亜は自分と雅代を紐とテグスで繋ぎ、麻里亜が雅代を動かしていたのです。
なので、雅代つまりモナリザは殺害された後、人形のように麻里亜に操られていた、人形式モナリザになってしまったということではないでしょうか?
皆さんは読書をする際に、どういった姿勢で読書をしていますか?
私は大概、ソファに座っていることが多いのですがずっと下を向いているので、首や肩が痛くなってしまったり、そのまま寝落ちしてしまうことがあります。
寝っ転がったまま読書ができればいいのにな。そう思って寝ながら読書ができる商品を探しました。
そこで発見した商品が「人間をダメにするブックスアームタンド」という商品です。
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文学YouTuberのベルさんがこの商品を紹介した動画がありますので、気になる方はそちらも見てみてください。
人形式モナリザ登場人物を家系図にしてまとめてみた
今回の人形式モナリザは岩崎家を中心に繰り広げられますが、読んでいると相関がよく分からなくなってきたので、スマートフォンやタブレットで使用できるアプリ「すいすい家系図」を使って、岩崎家の家系図を作成してみました。
今回、麻里亜に殺害されたのは麻里亜の夫である、亮と義理の父である毅。そして、祖母の雅代でしたね。殺害した理由が雅代の血を引き継ぐ者を殺したかったからなので、こうやって家系図にするととても分かりやすいと思います。
人形式モナリザ衝撃のラスト「お義母様」の意味
人形式モナリザを読んだ方なら誰しもが最後の一行にはびっくりした事でしょう。
「それ、誰ですか?」私は尋ねた。「その写真は誰?」
麻里亜は顔を上げ、私を見た。
否、その視線は、真っ直ぐに、綺麗に、高い空を目指している。
それから、彼女は、自分の持っていた写真を、もう一度見る。「お義母様」
人形式モナリザ 「エピローグ おわり そして つづき」より
え?「お義母様」ってなに?どうゆうこと?
この続きはないのか?と思った事でしょう。しかし、最後まで教えてはくれない森博嗣先生は、読者自分自身で考えて欲しかったのではないでしょうか?
最後に麻里亜が見ていた写真は、諏訪湖ウェスタン・パークのアトラクション内にある悪魔の大きなロバの化け物が写っていましたが、この悪魔を義理の母である巳代子に重ねたのではないでしょうか。
巳代子の義母である岩崎雅代は、魔女の血を引き継いでいる者と知り巳代子は怖くなったのか、雅代の血を引き継ぐ者である息子の毅、孫の亮を殺害することを計画しましたが自分の手を汚すことなく、義理の娘に雅代を含めた三人を殺害させたのではないかと考えます。
巳代子は麻里亜が雅代の犯行現場に残したテグスを発見し処分したのではないか?と保呂草さんと紅子さんが推理していましたが、もしこの通りに巳代子が証拠を隠滅しているとすると、黒幕は巳代子だということが確信できます。
きっと、巳代子は麻里亜を何らかの方法で洗脳させて三人を殺害させていたのでしょう。
上記で小説の題名である人形式モナリザは雅代が殺害された後、麻里亜に操られていたところからきたのではというお話をしましたが、巳代子が麻里亜を洗脳していたことから麻里亜も巳代子にとって操り人形であったと、読み取れませんか?
そうやって考えるとこの人形式モナリザっていう題名が何だか怖く感じてきたのではないでしょうか?
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次はこの作品を読んでいきたいと思います。また読み終わったらレビューを書いていきたいと思います。よかったら、私と一緒に皆さんも読んでみませんか?