【ネタバレあり】魔剣天翔レビュー 脅迫状に隠された名前とは?
こんにちは。
本日は森博嗣の魔剣天翔を完読しましたので、考察していきたいと思います。
本作はVシリーズの第5作品目です。1作品目から4作品目までについても感想と考察を書いていますので、まだそちらを読まれていない方は、そちらも是非読んでみてください。
魔剣天翔 あらすじ
アクロバット飛行中の2人乗り航空機。高空に浮かぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草(ほろくさ)と無料招待券につられた阿漕(あこぎ)荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室トリックの謎を瀬在丸紅子が鮮やかに解き明かす!
アマゾン「魔剣天翔」購入ページあらすじより引用
今回の舞台は那古野市北部郊外にある飛行場が舞台で、そこで行われたアクロバット飛行イベントで密室殺人事件が発生しました。
このアクロバット飛行イベントのパイロットである関根杏奈は練無の学校の先輩あり、今回のイベントを無料で招待してくれる事になった為、阿漕荘のメンバー4人(保呂草・紫子・練無・素直)と無言亭の3人(紅子・根来・へっくん)でアクロバットイベントを鑑賞しに行った先での事件発生でした。
魔剣天翔 考察
鋭すぎる紅子さんの行動
物語の中盤で、保呂草と各務が阿漕荘に行った際に、紅子が各務にお酒のボトルを握らせるシーンがありました。最初、このシーンを読んだ時は紅子が単純に各務へお酒をプレゼントしたかっただけなのかと、読者に思わせてしまうシーンでした。
ちなみに、私は紅子さんのことだから何か考えがあって、各務にお酒のボトルを握らせたんだろうなと思っていたので、各務の指紋がいずれ必要だと思ったから握らせたということが分かった時は、そこまでびっくりはしなかったです。
私が、紅子さんの立場だったらここまで頭が回らないと思います。
流石に保呂草が知らない女性と一緒に行動しているし、これまでも何度か事件に巻き込まれているから紅子さんもこれは何かあるなと考えたのでしょうね。納得な行動だと思います。
脅迫状に隠された名前とは?
今回の魔剣天翔は脅迫状が2つ出てきましたね。
1番最初に届いた脅迫状は、関根杏奈が所属するアクロバット飛行事務所のポストに入っていたものでした
ヨワキココロヨリ
魔剣天翔 p115より引用
スカイボルトヲイダク
ソノモノノチルハサイワイ
ヒトハチリテマケンハトム
アタラシキチヲハサキニソソギ
テンクウニミルユメハサラニトオキ
この脅迫状は、被害者の西崎勇輝あてに送られたものでしたね。最初この脅迫状を読んだ時、意味不明だったのですが、実はこの脅迫状には秘密が隠されていたということを紅子さんが教えてくれましたね。
脅迫状にある、各行の末尾の文字「り」「く」「い」「む」「ぎ」「き」を50音表の1つ上の文字にずらすと「ら」「き」「あ」「み」「が」「か」となります。
これを後ろから読むと「かがみあきら」。そう、保呂草と一緒に行動しアクロバット飛行時に一号機へ搭乗していた各務亜樹良の名前が隠されていたのです。
紅子さんはこれをノーヒントで解いてしまいました。凄すぎます。
関根朔太の正体
魔剣天翔で狙われる事になった宝剣、「エンジェル・マヌーヴァ」を所持されているとされていた関根朔太ですが、物語には名前が出てきたのですが中々関根朔太本人の登場がありませんでしたね。
小説もそろそろ読み終わるか?といったところで、保呂草が関根朔太のアトリエの潜入に成功し、やっと登場しました。
終盤まで全く姿を表さなかったので、関根朔太はすでに死んでいるのでは?と考えていましたがやはり、関根朔太は死んでいましたね。
ですが、関根杏奈の母親が関根朔太として生きていたところまでは、予想をしていなかったのでびっくりしました。さらに、関根杏奈の実の父親は朔太ではなく西崎勇輝だなんて…。想像もしていなかったです。
魔剣天翔 感想
最後に魔剣天翔の個人的感想を書いていきたいと思います。
あくまで個人的感想なので、みなさんと思っている事考えている事が違う事があるかもしれませんが、適当に受け流して下さい。(笑)
今回は、全体的に保呂草さんが警察に殺人犯だと疑われている各務亜樹良と一緒に行動していたり、練無と警察官の祖父江七夏と一緒に行動していたりと、読者側がいろいろな目線で一つの事件に向き合う事ができた物語だったかなと思います。
個人的には、犯人とされていた人間の闘争劇と警察側の推理劇を体験する事ができたので、大満足です。
これが仮に保呂草さん側の話がなかった場合、完全に各務亜樹良を犯人として読者側は読んでしまうので、全く違う物語になってしまったかもしれませんね。
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
次はこの作品を読んでいきたいと思います。また読み終わったらレビューを書いていきたいと思います。よかったら、私と一緒に皆さんも読んでみませんか?